認定こども園二ツ橋あいりん幼稚園は、50年以上にわたり統合保育に取り組んでいます。
子どもが幼児期に学ぶべきは"社会で生きていく為"の学びです。社会にはいろんな人がいます。そう考えると、幼稚園の中でいろんな人と出会うことはとても自然なこと。時に弱い人を思いやる気持ちを知り、園生活の中で"人と人とのふれあいの本当の在り方"を学んで欲しいと思います。
さて、近年障がいのある子どもを受け入れない園が増えてきていると耳にすることがあり、残念で仕方ありません。行事等で"見せる為の保育"をやらざるを得ない時など、その輪に入れづらいことが一因なのでしょうか。あいりん幼稚園は、世界の先進諸国でスタンダードとなっている「インクルージョン教育(障がい者と健常者を同じ場で学ばせる教育)」に長らく取り組んでおり、いわゆる"見せる為の保育"をしていません。例えば、園の行事には子ども達がステージに立つ"お楽しみ会"があります。楽しくやっているから保護者の方に見に来てもらおうとも思います。しかし、保護者の方に見せる為の"発表会"という行事は無いのです。これが私たちのスタンダード。これからお子様の集団生活の場を探される方には、「本当の意味での社会性」とは何か、「主体性を持てる学びの機会」とは何なのか、その為にはどういった環境がより望ましいのか、真剣に考えて頂ければ幸いです。
障がいを持つお子様のご家庭から「どのようにうちの子を見てもらえますか?」とよく聞かれることがあります。お気持ちは分かりますが、あいりん幼稚園の統合保育は、障がいのある子どもを特別扱いし、マンツーマンで介助するという保育ではありません。もちろん、園全体での加配はあります。ただし、統合保育と向き合う考え方のベースは、保育環境全体で障がいのある子も健常の子もみんな包み込んで、"共に学びあう教育の場を作る"です。集団の一員として存在し、みんなで助け合うから、障がいのある子ども自身の育ちにもなるのです。
子ども達は、多様性のある集団の中で"人を思いやること"に喜びを感じられる心を育みます。丈夫な体も大切です。賢い頭も大切です。
でも何より大切なのは"優しい心"ではないでしょうか。
あいりん幼稚園は、今後もインクルージョン教育を通して、すべての子ども達の"心の育ち"を一義に考える幼児教育を実践していきます。